【金亀城とは？】彦根城・松山城・臼杵城を徹底比較！由来や見どころの違いを完全解説

「金亀城（きんきじょう／こんきじょう）」という別名を持つお城が、日本に複数あることをご存知ですか？

実は、滋賀県の彦根城、愛媛県の松山城、そして大分県の臼杵城と、場所も歴史も異なる3つの名城がこの名を持っています。

この記事では、「金亀城」というキーワードで検索した方が、どの城に行けばいいか、それぞれの城にどんな魅力があるのかをすぐに判断できるよう、由来、読み方、そして最大の見どころを徹底比較します。

旅行の計画に合わせて、あなたにぴったりの「金亀城」を見つけてください！

「金亀城」と呼ばれる3つの城の基本情報と違い

まずは、3つの「金亀城」を区別するために、基本情報を表で確認しましょう。特に読み方と別名の由来が大きく異なります。

それぞの城の魅力を見ていきましょう。

彦根城は、徳川四天王・井伊直政の息子、直継・直孝によって築かれ、井伊家14代の居城となりました。城が築かれた山が「金亀山（こんきやま）」と呼ばれていたことが、「金亀城」という別名の由来です。

唯一無二の国宝天守: 現存する12天守のうち、国宝に指定されている5城の一つです。多様な破風（屋根の装飾）が複雑に組み合わさった姿は非常に優美で、天下泰平の世に築かれた城らしい華やかさがあります。
天秤櫓と太鼓門櫓: 特に重要な遺構である天秤櫓（てんびんやぐら）は、左右対称の珍しい形をしています。関ヶ原の前哨戦地であった大津城から移築されたと伝わる、歴史のロマンを感じられる場所です。
大名庭園「玄宮園」: 城の北東にある池泉回遊式庭園で、中国の洞庭湖になぞらえて造られました。天守を借景とした風雅な景観は、四季を通じて訪れる価値があります。
毎日会える「ひこにゃん」: 彦根城のマスコットキャラクター「ひこにゃん」は、城内でほぼ毎日パフォーマンスを行っています。家族連れやカップルにも人気の高いポイントです。

【彦根城はこんな人におすすめ】 国宝や歴史的な価値を重視する方、美しい庭園を楽しみたい方。

松山城は、賤ヶ岳（しずがたけ）七本槍の一人、加藤嘉明によって築かれました。築城中に山麓の内堀で「金色の亀」が目撃されたという伝説から、「金亀城」と呼ばれるようになったとされています。

連立式天守と最後の完全城郭: 現存12天守の一つでありながら、日本で最後に完成した完全な城郭建築として知られています。大天守と小天守、櫓が複雑に結びついた連立式天守の構造は、圧倒的な防御力を誇ります。
国内最大級の「登り石垣」: 山麓の二之丸から本丸まで続く、珍しい構造の石垣です。現存する登り石垣としては国内最大規模であり、山全体を防衛する工夫が凝らされています。
便利なアクセス（ロープウェイ・リフト）: 標高132mの山頂に築かれた山城ですが、ロープウェイやリフトで手軽に登城できます。天守からの眺めは、松山市街と瀬戸内海を一望する絶景です。
複雑な防御動線: 敵を惑わすためのS字の登城道や、隠れた位置にある門など、随所に難攻不落を目指した軍事的な工夫が見られます。

【松山城はこんな人におすすめ】 城の構造美や防御力を重視する方、手軽に山城の雰囲気を楽しみたい方。

大分県の臼杵城も「きんきじょう」と呼ばれました。これは、城が築かれた場所が、かつては海に浮かぶ亀に似た島だったことに由来すると言われています。

海城から平山城へ: 戦国大名・大友宗麟が築いた当時は「丹生島城（にうじまじょう）」と呼ばれ、海に浮かぶ要塞でした。その後埋め立てられ、現在の平山城の形になりました。
美しい石垣の遺構: 天守は現存しませんが、城跡は現在公園となっており、再建された櫓や美しい石垣が残っています。特に稲葉家の居城として栄えた時代の面影が濃く残ります。

【臼杵城はこんな人におすすめ】 九州の歴史に興味がある方、静かな場所で城の遺構や石垣をじっくりと見学したい方。