日本三大山城のひとつであり、織田信長の叔母「おつやの方」が治めた女城主の城としても知られる岐阜県恵那市の「岩村城(岩村城跡)」。
「日本一高い場所にある城跡ってどれくらい登るの?」
「車で行く場合、駐車場はどこに停めるのが便利?」
「城下町の散策と本丸見学、両方巡るとどれくらい時間がかかる?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、今回は実際に車で岩村城を訪問し、歴史情緒あふれる城下町と圧倒的な石垣が残る本丸の両方を巡ってきた体験記をお届けします。
実際に歩いてみて分かった「岩村城内駐車場と歴史資料館駐車場のどちらに停めるべきか」というリアルな情報や、スニーカー必須の登城道の傾斜感、城下町の魅力的な雰囲気まで詳しく解説します。これから岩村城へドライブ観光や日帰り旅を計画している方は、ぜひ参考にしてみてください!
日本三大山城「岩村城跡」とは?見どころと魅力をサクッと解説

岩村城は、大和の「高取城」、備中の「備中松山城」と並び、日本三大山城のひとつに数えられる名城です。
- 標高717m!日本一高い場所にある城跡:城下町からの高低差は約180m。高所にあるため年間を通して気象の変化が多く、頻繁に霧が発生することから「霧ヶ城」の異名も持っています。
- 女城主「おつやの方」の悲劇の歴史:織田信長の叔母にあたる「おつやの方」が城主となり、武田軍の侵攻に対して幼い養子(信長の五男・御坊丸)を守るため奮闘した歴史でも有名です。敵将・秋山信友との結婚やその後の悲劇的な結末など、戦国ロマンあふれるストーリーが今も語り継がれています。
【車アクセス必見】岩村城の駐車場はどこが良い?実体験から比較
岩村城へ車で訪れる際、最初に悩むのが「どこの駐車場に車を停めるか」です。主に以下の2つの選択肢があります。

下からじっくり歩くなら「岩村歴史資料館 駐車場」(無料)
城下町の端、登城道の入り口付近にある無料駐車場です。普通車約30台分のスペースがあり、トイレや資料館も併設されています。
- メリット: 石畳の登城道(藤坂・初門など)を最初から最後までじっくり踏破できる。城下町へのアクセスも徒歩すぐで抜群。
- デメリット: 本丸まで片道約800m、勾配のある坂道を20分〜30分ほど歩く必要がある。
短時間で本丸へ行くなら「岩村城内駐車場」(無料)

山道を車で登り、本丸のすぐ近く(出丸跡)まで行ける無料駐車場です。普通車約20台分のスペースがあり、トイレが設置されています。建物内には城内のマップや周辺の観光マップが置かれています。
- メリット: 本丸(六段壁)まで徒歩5〜10分程度で到達できるため、体力に自信がない方や短時間で観光したい方に最適。

- デメリット: 山道ドライブになるため道幅が狭く、対向車とのすれ違いに注意が必要。また、登城道の見どころを一部スキップすることになります。
【失敗談】岩村城内駐車場から城下町へ下りるのはおすすめしません!
実は今回、事前のリサーチ不足で「岩村城内駐車場」に車を停めて本丸に向かいました。
その後、岩村城内駐車場から階段を下りて麓の城下町まで散策に向かったのですが……このルートは大失敗でした。
城下町を楽しんだあと、再び岩村城内駐車場まで徒歩で戻る必要があり、疲れ切った足でひたすら急な階段や坂道を上り返すことに。途中何度も休憩挟みながら、なんとか車までたどり着きました……。
岩村城の見どころ(登城道・本丸・城下町)をフルで満喫したいなら、間違いなく「岩村歴史資料館の駐車場」に停めて、元気なうちに登城道を登り始めるルートが一押しです。
そして、岩村城内駐車場は非常に狭い山道を走ります。運転に自信がない方はおすすめしません。対向車が来たため、私はバックで岩村城内駐車場まで戻りました。私はあの道は二度と走りたくありません。
岩村城跡(本丸)の登城ルートと見どころレポート
1. 藤坂

歴史資料館横の登城口から始まる最初の急坂で、美しく敷き詰められた石畳が印象的な道です。
両脇を樹木に囲まれた静寂な雰囲気が漂い、これから山城へと挑む期待感を高めてくれます。
2. 初門

藤坂を登り切った場所に位置する、登城ルートにおける第一の関門跡です。
敵の侵入を足止めするための重要な防衛拠点であり、現在は重厚な石垣の遺構が残されています。
3. 一の門

初門を抜けた先に構えられた主要な門の跡で、強固な石垣がV字状に組み合わさっています。
屈曲した桝形構造になっており、大手道(正面ルート)を防衛する厳重な防衛機構が見どころです。
4. 土岐門

城主遠山氏が明知城主・土岐氏を破った際にその城門を移築したと伝わる、歴史的逸話を持つ門跡です。
かつては重厚な城門が構えられており、本丸へと続く要衝として強固に守られていました。
5. 畳橋・追手門・三重櫓

かつて橋を渡って追手門へ至り、上部には城の象徴である三重櫓がそびえ立っていた岩村城の中核部です。

敵を挟み撃ちにする屈折した桝形構造と、巨大な石垣群が組み合わされた見ごたえ抜群の城門跡です。
6. 霧ヶ井

城内に残る伝説の井戸で、敵の襲撃時に城主の宝物「蛇骨」を入れると霧が立ち込めたと言われています。
岩村城が別名「霧ヶ城」と呼ばれる由来となった場所であり、今も澄んだ水をたたえています。
7. 八幡神社

城の守護神として城内に奉納され、城主や武士たちが必勝や繁栄を祈願した神社跡です。
厳しい山城の防御陣地の中にありながら、神聖で落ち着いた雰囲気が漂うエリアとなっています。
8. 俄坂門

本丸の搦手(裏手)方面や二の丸へと通じる、急勾配の坂道に設けられた防御用の門跡です。
地形の起伏を巧みに利用して造られており、訪れると山城ならではの険しさを実感できます。
9. 菱櫓

二の丸の眼下に位置し、変形した敷地に合わせて菱形に設計されていた珍しい櫓の跡です。
死角をなくして大手側からの侵入者を多角的に監視・攻撃するための高い設計技術が伺えます。
10. 六段壁

江戸時代に石垣の崩落を防ぐため補強を重ねて完成した、岩村城最大のハイライトです。

雛壇状に重なる高低差のある高石垣は見上げるほどの圧倒的なスケールで、訪れる人を魅了します。
11. 長局埋門

東曲輪から本丸へ通じる勝手口のような役割を果たしていた、石垣をくり抜いて造られた門跡です。
上部に長局(侍女たちの部屋)が建てられていたことが名前の由来で、隠れ道のような趣があります。
12. 埋門

石垣と石垣の間に埋め込むように設置された、本丸裏手に位置する秘密裏な出入口跡です。
有事の脱出ルートや密かな兵の移動経路として機能し、戦国山城らしい緊迫感を残しています。
13. 南曲輪

本丸の南側に位置し、南方向からの敵の接近を警戒・迎撃するために設けられた郭です。
眼下に広がる山々のパノラマが見渡せるポイントであり、高い防衛機能を備えていました。
14. 本丸

標高717mの山頂に位置する「日本一高い場所にある本丸」の跡地です。
かつて二重櫓や千畳敷御殿が建っていた広場からは、恵那の山並みと城下町を一望する大絶景が広がります。
15. 出丸

本丸の北側を守るために一段低い位置へ張り出すように作られた、独立性の高い曲輪です。
現在は「岩村城内駐車場」として整備されており、本丸のすぐ近くまで車でアクセスすることができます。
江戸情緒が残る「岩村城下町」の散策&おすすめスポット
本丸の石垣を堪能したあとは、麓に広がる「岩村城下町」の散策へ向かいました。

岩村の城下町は「重要伝統的建造物群保存地区」にも選定されており、約1.3kmにわたって江戸時代の面影を残す街並みが続いています。

資料館の駐車場からは歩いてすぐに城下町のメインストリートに入れるため、動線も非常にスムーズです。

今回訪問した岩村城下町ですが、大ヒットドラマ『VIVANT』のロケ地になったこともあり、当日は観光客で非常に混雑していました。

街並みを撮影しようと試みたものの、プライバシー配慮のため「人が写り込まないタイミング」を狙うのがとにかく難しく……。慎重にシャッターを切ったものの、残念ながらブログに掲載できるレベルの写真はほんのわずかでした。

ですが、それだけ多くの方を惹きつける活気と、ノスタルジックな魅力に溢れた街並みであったことは間違いありません。
散策中に見つけた!気になる名物&グルメスポット
今回は時間の都合もあり実際に食べ歩きをすることはできませんでしたが、城下町を歩いていて特に目を引いた魅力的なスポットをピックアップしてご紹介します。
- 岐阜東濃の名物「五平餅」焼きたての香ばしいタレの香りが漂う五平餅のお店が点在しています。岩村の五平餅は、胡麻や胡桃(くるみ)の風味が効いたタレが特徴で、散策のお供にぴったりです。
- 伝統の古法で作られる「カステーラ」(松浦軒など)江戸時代に長崎から伝わった製法を今に伝える伝統菓子。一般的なフワフワのカステラとは異なり、素朴でズッシリとした昔ながらの味わいが楽しめる名物でお土産に大人気です。
- 老舗酒蔵「岩村醸造」(銘酒「女城主」)江戸時代創業の老舗酒蔵。代表銘柄「女城主」をはじめとするお酒が並び、店内には昔使われていたトロッコの線路が残る独特の雰囲気があります。(※運転者の方はお酒の試飲は厳禁です)
岩村城観光の所要時間とおすすめモデルコース
実際に巡ってみて感じた、車で訪れる人向けのベストな巡り方と所要時間の目安です。
おすすめのモデルコース(所要時間:約2.5時間〜3時間)
- 「岩村歴史資料館 駐車場」に停車(スタート)
- 登城道を徒歩で登り、本丸・六段壁を見学(約60分〜70分)
- 歴史資料館まで下山(約20分)
- そのまま徒歩で「岩村城下町」を散策(約60分)
- 駐車場に戻りドライブ再開(ゴール)
💡ワンポイントアドバイス:
先に本丸へ登って汗をかき、絶景を楽しんだあとに下山して、城下町で散策や休憩(五平餅やスイーツを楽しむ)という順番が、体力的にも流れ的にも一番スムーズだと実感しました。
岩村城へ行く前に知っておきたい注意点
- 自販機・トイレは登る前に済ませる:登城道の途中にはトイレや自動販売機がありません。必ず歴史資料館付近で手洗いを済ませ、水分を持参して登り始めましょう。そもそも城下町にコンビニや自動販売機はありません。
- 足元はスニーカー一択:前述の通り石畳の勾配が急なため、歩きやすい靴が必須です。
- 城下町の営業時間に注意:城下町のお店は夕方(16:00〜17:00頃)には閉店してしまうところが多いため、食べ歩きや買い物も楽しみたい方は早めの時間帯の訪問をおすすめします。
2026年9月20日の訪問記
数日前の天気予報は雨でしたが、当日は見事な快晴!絶好の登城日和となり、大満足の訪問となりました。
ただ、当日は気温30度を超える猛暑。坂道を登るうちに汗がびっしょりで、正直なところ「城下町で優雅に食べ歩き」をする余裕がないほど体力を削られました。これも山城ならではのリアルな体験です。
武田 vs 織田!最前線の緊張感と「力攻め不能」の要塞
岩村城は、城好き・歴史ファンとして「一度は訪れてみたかった」憧れのお城です。ここはかつて、武田氏と織田氏が激突した最前線でした。
実際に現地に立ち、「日本三大山城」と呼ばれる理由がよく分かりました。この険しい地形を力攻めで落とすのは、どう考えても極めて困難です。
事実、武田軍も織田軍もこの城を力攻めで落としてはおらず、いずれも包囲して持久戦に持ち込んでいます。武田家の重臣・秋山信友が、女城主であった「おつやの方」に婚姻を条件として開城交渉を行ったのも納得です。戦国時代でも非常に珍しい形で手に入れた、まさに難攻不落の要塞でした。
武田ファン目線で思いを馳せる「IFの歴史ロマン」
ここから織田信長の居城であった岐阜城までは、わずか約100km。
もし武田信玄が西上作戦の途上で病死せず、徳川領であった三河や遠江を完全に支配下に置いていたならば……この岩村城を拠点として、一気に岐阜城へ向けて雪崩れ込んでいたかもしれません。武田ファンにとっては、想像するだけで胸が熱くなるロマン溢れる城郭です。
その後、長篠の戦いに勝利した織田信長は速やかに岩村城の奪還に動きました。激しい包囲戦の末に城は落ち、城主となった秋山信友とおつやの方は、悲劇的な磔(はりつけ)の刑に処されることとなります。
壮大な歴史の表舞台となったこの場所に立ち、当時の武将たちの思いに浸ることができた最高の登城となりました。
まとめ:岩村城は車アクセスで城下町とセットで巡るのが最高
日本三大山城のひとつ「岩村城」は、本丸の壮大な石垣(六段壁)はもちろん、麓に広がる情緒あふれる城下町までセットで楽しめる素晴らしいスポットでした。
車で訪れる際は、「歴史資料館の駐車場」に車を停めて、本丸への登城と城下町散策をまとめて巡るスタイルが最も魅力を満喫できます。
岐阜・恵那エリアへのドライブや歴史巡りを検討している方は、ぜひスニーカーを履いて、女城主の歴史が眠る岩村城へ足を運んでみてください。




