初めての小田原城観光!王道ルート&駐車場裏技、最強の「総構」まで徹底ガイド

初めての小田原城観光!王道ルート&駐車場裏技、最強の「総構」まで徹底ガイド 城ガイド
小田原城天守閣

「小田原城って、天守閣以外に何があるの?」 「歴史に詳しくなくても楽しめるポイントは?」

2026年1月18日に○○年ぶりに神奈川県にある小田原城を訪ねてきました。1月にも関わらず暑かったです。10分ほど歩けば、じわりと汗が滲むほど。不思議なほどに、どこのお城を歩いていても、いつも同じように汗をかいてしまいます。坂道のせいか、あるいは400年前の遺構を前に興奮しているからなのか・・・。

今回は豊臣秀吉対策のため設けられた、総延長約9キロメートルという途方もない規模の「総構(そうがまえ)」も味わってきました。

初めての方は再建された美しい天守閣に目を奪われがちです。小田原城の凄さは街全体を飲み込む日本最大級の防衛線「総構(そうがまえ)」です。

小田原合戦攻防図
小田原合戦攻防図 緑色の線が総構です。

総構を訪問すれば、北条氏政・氏直親子が豊臣秀吉に対して臣従することを拒み、戦うことを選んだ理由を理解することが出来ます。実際、豊臣秀吉は小田原城に対して力攻めをしておりません。

本丸よりも標高が高い「三の丸外郭新堀土塁」と「小峰御鐘ノ台大堀切」をみると、力攻めという選択を豊臣秀吉は出来なかったのではないでしょうか。

時間が許すならば、この城を「難攻不落」と言わしめた真の姿を味わって欲しいです。

今回は、初心者の方が絶対に外すべきではない「王道ルート」と「歴史ロマン溢れる総構」を、わかりやすく解説します。


【実録】車で訪問するなら「9時過ぎ」がデッドライン?

私は今回、車で小田原城を訪問しました。城の周辺には有料駐車場がいくつか点在していますが、事前にAI(Gemini)で調べたところ、「週末は満車になりやすいので早めの訪問を」とのアドバイス。

その助言に従い、朝9時5分頃に「小田原城 三の丸駐車場」へ到着。この時点ではまだ空きがあり、スムーズに停めることができました。しかし、散策の途中でジャンパーを置きに車へ戻った10時30分には、なんと既に「満車」。

AIだけでなく、どのガイドでも早めの訪問を推奨していると思いますが、確実に城周辺の駐車場を確保するならば、このアドバイスには絶対に従った方が良いと身をもって実感しました。車で行かれる方は、10時前、できれば9時台の到着を目指すのが確実です。

三の丸駐車場住所:〒250-0013 神奈川県小田原市南町1丁目5

小田原城の王道ルート!天守閣へ続く「三つの巨大門」

小田原城案内図
小田原城案内図


無事に駐車場を確保し、いよいよ城内へと向かいます。私はここで失敗しました。南入口から入りました。ここは「小田原城 三の丸駐車場」から一番近い入口だったからです。案内板は出ていたとはいえ、城の周り方に迷いが生じました。まずは、案内所に行こう。

裏からみた銅門
裏からみた銅門

立派な門、銅門が見えていたので、まずはそこを通って「二の丸観光案内所」へ行きました。

そこで散策マップを手に、ガイドさんから初心者向けの回り方を教わりました。

アドバイスは、「正規登城ルートを通って天守閣へ向かってください」とのこと。

具体的には、正面入口から以下の3つの巨大な門を順番に潜り抜けていくルートです。

1.馬出門(うまだしもん)

こが城内への第一歩。内桝形の堅固な造りに、いきなり圧倒されます!

馬出門
馬出門

2.銅門(あかがねもん)

扉の銅板装飾が美しい!「あかがね」の名にふさわしい重厚感です。

銅門正面
銅門正面

3.常盤木門(ときわぎもん)

本丸を守る最後の巨大門。横にある巨松とのコントラストが最高です。

常盤木門
常盤木門

まさに城の主役に会うための「正攻法」。このルートを辿ることで、小田原城の圧倒的なスケールと格式を順を追って体感することができます。

私も胸を張ってお勧めします。初心者の方はこのルートがベストです。

「二の丸観光案内所」のトイレで用を足してから馬出門へ向かいました。トイレは清掃が行き届いていて綺麗でした。

三つの巨大門は戦後に再建・復元された門ですが、実際にその前に立つと、単なるレプリカではない圧倒的な「格式の高さ」を感じました。各地の城を訪問していますが、このレベルの門はそう簡単に見ることは出来ません。徳川将軍の宿所だったことが理解できます。

常盤木門と巨松
常盤木門と巨松

特に扉に美しい銅板の装飾が施された「銅門」や、本丸の正門である「常盤木門」の巨木を用いた造りは、かつてこの城が関東の覇者・北条氏の拠点であり、徳川幕府にとっても重要な要衝であったことを証明しております。

【本丸へ】巨木が守る常盤木門を抜け、ついに白亜の天守閣と対面!

重厚な常盤木門(ときわぎもん)をくぐり抜けると、視界が一気に開け、ついに白亜の「小田原城天守閣」が姿を現します。

小田原城の天守閣
小田原城の天守閣

現在の天守閣は江戸時代の設計図や模型をもとに、外観を忠実に再現したもの。門の格式高さに感動した直後だけに、青空にそびえ立つその美しさは格別でした。

ここで改めて、観光案内所で教わった「正規ルート」の凄さを実感します。三つの巨大な門を通るたびに期待感が高まり、最後に主役が登場する。この演出こそが、小田原城観光の醍醐味だと言えます。

本丸に到着したのは朝の9時50分頃。まだ早い時間かと思いきや、すでに本丸の敷地内は観光客でいっぱいでした。写真を撮ろうにも、どうしても人が写り込んでしまうため断念したほどです。

駐車場が10時半に満車になるのも納得の賑わい。じっくり撮影を楽しみたい方は開門直後を目指したほうが良いかもしれません。

天守閣内部や侍館(常盤木門 1階)で「歴史の答え合わせ」 

いよいよ天守閣の内部へ足を踏み入れます。 内部は北条氏の栄華から江戸時代までの歴史を学べる充実した展示室になっていました。

階段を登るたびに、フロアごとに異なるテーマの展示を楽しめるよう設計されていますが、特に私が惹かれたのは2階の「戦国時代の小田原城」の展示です。 先ほど見てきた巨大な門の構造や、これから向かう「総構」の重要性が詳しく解説されており、まさに歩いて感じた疑問が解けていく「答え合わせ」のような感覚を味わえます。

侍館と常盤木門
侍館と常盤木門

また、常盤木門の1階にある「侍館(さむらいかん)」も見逃せません。ここでは甲冑や刀剣が展示されており、戦国時代にこの城を守っていた武士たちの息遣いが聞こえてくるような、張り詰めた空気感に圧倒されました。

最上階・5階。絶景の中で見つけた「歴史の火種」

階段を登りきり、息を切らしながら最上階の5階へ。 外の回廊へ出た瞬間、1月の澄んだ空気の中に相模湾から箱根の山々まで見渡せる、360度のパノラマ絶景が飛び込んできました!

「これを見るために登ってきたんだ」と感動したのも束の間……ここでまた私は失敗をしてしまいました。あろうことか、一番の注目ポイントである「石垣山一夜城」の撮影を忘れてしまったのです。

ですが、ご安心ください。この後実際に石垣山一夜城へも足を運びましたので、そこから眺めた「攻め手側からの小田原城」の写真をここに貼っておきます。こうして見比べると、当時の緊張感がよりリアルに伝わるのではないでしょうか。

石垣一夜城から見た小田原城
石垣一夜城から見た小田原城

天守から見て悟った「八幡山古郭東曲輪」の重要性 

古郭八幡山東曲輪
古郭八幡山東曲輪

この絶景の中で、私の目が釘付けになった場所があります。それが、かつての北条氏の拠点であった「八幡山古郭東曲輪(はちまんやまこかくひがしくるわ)」です。

天守から見下ろすと、その位置関係から「ここがどれほど重要な守りの要だったか」が一目でわかります。小田原合戦の際、北条氏政が陣を構えていたとされるのは、まさにこの八幡山の高台周辺。

今の華やかな天守閣がある場所よりも、むしろあちらのエリアこそが、戦国時代の小田原城における「真の中心・司令塔」だったのではないかと思わせる曲輪です。

この景色を見たことで、「やはり今日は、総構まで行かなければ小田原城を語れない」と確信しました。さあ、火照った体を回廊の風で冷ましたら、いよいよ本番の「総構」へ出発です!


【深掘り】歴史の正体「総構(そうがまえ)」を歩く

崩れた石垣
崩れた石垣

天守閣から観光スポットである「崩れた石垣」に寄ってから、ジャンパーを置きに駐車場へ。ここで「二の丸観光案内所」で入手したマップ付きの「はじめての総構」を見ながら行き先を決めました。

今回は小田原城から徒歩20分ほどの距離の「三の丸外郭新堀土塁」と「小峰御鐘ノ台大堀切」を訪問することにしました。

現地までひたすら坂道を登っていくので、ここでも大汗が・・・。

これらの総構のために「小田原城 三の丸外郭新堀土塁」という無料の駐車場が用意されていますので普段運動していない方は車での移動をお勧めします。本丸から三の丸外郭新堀土塁へ向かうには、約10m〜15mの標高差を登りますので無理をしない方がよいです。

小田原城から徒歩で向かう場合、道中にコンビニや自動販売機はありませんので注意願います。万が一の際、道中にある「小田原競輪場」が開催中であれば、そこで水分補給ができるかもしれません。

三の丸外郭新堀土塁:入口によって変わる2つの視点

三の丸外郭新堀土塁
駐車場近くの入口から入って見学した三の丸外郭新堀土塁

三の丸外郭新堀土塁は当時の土木技術の高さを味わうことが出来ます。そして、海が見える絶景スポットです。実は入口が2か所あり、それぞれで見学できる範囲が異なるという点です。私は相洋中付近の入口から入りましたが、

相洋中付近の入口(駐車場近く): 私が利用したこちら側からは、巨大な遺構を「見下ろす」形になります。堀の深さや土塁の高さが一目で分かり、そのスケール感に圧倒されます。

小田原短大付近の入口: もう一方の入口からは、土塁の上(あるいはその周辺)を歩くことができます。遺構を間近に感じながら、当時の武士と同じ目線で防御線を体感できる貴重なルートです。

三の丸外郭新堀土塁から見た石垣一夜城
三の丸外郭新堀土塁から見た石垣一夜城(正面の木が伐採されている箇所)

初めて行く方は、上から全体像が見渡せる「相洋中付近」から入るのが分かりやすいですよ!ここからは遺構を見下ろす形になります。もう一つの入口は小田原短大付近にあります。こちらからは堀の中を歩いたりすることが出来ます。

本音を申しますと行き来できるようにしてほしいと思いました。目の前に素晴らしい土塁が続いているのに、一度外に出てぐるっと回り込まなければならないのは、大汗をかいて歩いている身としてはなかなかの試練でした。結局、あまりのルートの厳しさに、私はもう一方の入口から入ることを断念しました。

小峯御鐘ノ台大堀切:北条流・土の芸術

小峯御鐘ノ台大堀切東堀
小峯御鐘ノ台大堀切東堀

ついに現れた、総構のハイライト。 目の前に広がるのは、幅約20m、深さ10mにも及ぶ巨大な「谷」です。これほどの規模を、重機もない時代にすべて「手作業」で掘り抜いたという事実に、ただただ圧倒されます。

小峯御鐘ノ台大堀切西堀
小峯御鐘ノ台大堀切西堀

実はこの景色を見た瞬間、強烈な既視感(デジャヴ)に襲われました。 「どこかで見た覚えがある……あ、昨年訪問した箕輪城(群馬県)の大堀切だ!」

思わず独りでニヤけてしまいました。それもそのはず、箕輪城の改修に関わったのは、北条氏康の四男・北条氏邦。本拠地・小田原の技術が、遠く離れた上野国(群馬)の城にも息づいてました。


小田原城へのアクセス・基本情報

これから小田原城を訪れる方のために、アクセス情報をまとめました。私が身をもって体感した「駐車場の注意点」と併せて参考にしてください。

所在地: 〒250-0014 神奈川県小田原市城内6-1

  • 電車でのアクセス: JR・小田急「小田原駅」から徒歩約10分。
  • 車でのアクセスと駐車場: 小田原厚木道路「荻窪IC」から約10分、西湘バイパス「小田原IC」から約5分。
    • おすすめ駐車場: 有料の小田原城 三の丸駐車場(城内まで近く、今回私が利用した場所です)
    • 【重要】 記事内でも触れましたが、週末は朝9時台の到着を強くおすすめします。10時半には満車になる可能性が高いです。
    • 開館時間: 9:00〜17:00(最終入館 16:30)
  • 入館料: 天守閣 単独券 510円(常盤木門 侍館との共通券もあります)

【裏技】小田原城の駐車場代を「無料」にする唯一の方法とは?

せっかくの観光、ランチやお土産にお金を使いたいから、駐車場代はなるべく浮かせたいですよね。

実は、小田原城の天守閣周辺には無料駐車場はありませんが、「ある条件」をクリアできる方だけが使える無料駐車場が存在します。それが、記事の後半で紹介した「三の丸外郭新堀土塁駐車場」です。

無料駐車場を活用するための「3つの条件」

  • 条件1:体力に自信があること 天守閣までは徒歩約20分。しかも、大汗をかくほどのかなりの急坂を登る必要があります。
  • 条件2:歩きやすい靴を履いていること 「行きはよいよい、帰りは……」と膝が笑う展開になりかねません。サンダルやヒールは絶対にNGです。
  • 条件3:「総構」もセットで楽しむ気合があること 駐車場から天守へ向かう道そのものが、かつての最強要塞「総構」の一部です。ここを単なる移動ではなく「冒険」だと思えるアクティブ派には、これ以上ない拠点になります。

「駐車場代を浮かせて、浮いたお金で美味しい小田原の海鮮丼を食べたい!」という方は、ぜひこのルートを検討してみてください。ただし、私のような大汗は覚悟してくださいね。


まとめ|江戸のルーツ、小田原の「土」を感じて

1月の陽気の中、大汗をかきながら歩いた小田原城。 復元された豪華な門や天守閣の「格式」に感動し、その足で当時のままの姿を留める「総構」の土の匂いを感じる。この二つの顔を同時に味わうことで、初めて小田原城の本当の凄さが理解できた気がします。

かつて徳川家康が江戸の町を作る際にお手本にしたと言われる北条の設計思想。今私たちが住む日本の都市の原点が、この全長9kmに及ぶ巨大な堀の中に隠されています。

これから訪問される方は、ぜひ「歩きやすい靴」と「飲み物」、そして「早めの到着」を忘れずに。天守閣の先にある、400年前の「難攻不落」をその足で体感してみてください!