【保存版】備中松山城の見どころ完全ガイド!真田丸ロケ地の石垣や現存天守の歴史を解説

【保存版】備中松山城の見どころ完全ガイド! 城ガイド
備中松山城

岡山県の三大名城で高梁市にある「備中松山城」は、城郭ファンならずとも一度は訪れたい聖地です。 日本一高い場所にある現存天守、そして大河ドラマ『真田丸』のロケ地としても注目されるこの城には、戦国から江戸時代の息吹が今も色濃く残っています。

本記事では、備中松山城の歴史から、石垣・櫓・門といったマニアックな見どころまで徹底解説します。


備中松山城の歴史:激戦の地から奇跡の現存へ

五の平櫓(右側)と六の平櫓(左側)
天守と五の平櫓(右側)、六の平櫓(左側)

備中松山城の歴史は、1240年(鎌倉時代)に秋庭重信が砦を築いたことに始まります。

  • 戦国の争奪戦: 戦国時代には三村氏、毛利氏、宇喜多氏らがこの要衝を巡って激しく争いました(備中兵乱)。
  • 近世城郭への変貌: 江戸時代、山崎氏や水谷氏によって、現在見られるような豪華な石垣と天守を持つ近世城郭へと整備されました。
  • 奇跡の復活: 明治時代の廃城令で一度は荒廃しましたが、地元住民の熱意によって修復され、日本に12しか残っていない「現存天守」として今日まで守り抜かれました。

『真田丸』オープニングを飾った「断崖絶壁の石垣」

ドラマファンなら、大手門跡付近の景色に見覚えがあるはずです。

真田丸のロケ地
真田丸のロケ地
  • 真田丸のロケ地: 2016年の大河ドラマ『真田丸』のタイトルバックに使用されたのが、この城の石垣です。
石垣
野面積み(のづらづみ)
  • 天然岩盤との融合: 巨大な自然岩の上に、そのまま石垣を積み上げた「野面積み(のづらづみ)」は圧巻。人工物と自然が一体化した荒々しい姿が、「難攻不落の上田城」のイメージとして選ばれました。

天守・櫓・門・土塀:重要文化財の宝庫

備中松山城は、天守以外にも貴重な「現存遺構」が数多く残る、非常に珍しい山城です。

日本一高い現存天守(重要文化財)

天守
天守

標高430m。現存12天守の中で最も高い位置にあり、2重2階の層塔型天守です。内部には囲炉裏や装束の間があり、実戦と生活の両面を考慮した造りになっています。

天守内囲炉裏
天守内囲炉裏

二重櫓(重要文化財)

二重櫓
二重櫓

天守の北側に位置する、これまた天然岩盤の上に建つ2階建ての櫓。当時のままの姿を残しており、その堅牢な造りは城郭建築の傑作と言われます。

腕木門と三の平櫓東土塀

本丸東御門
本丸東御門
  • 本丸東御門(腕木門): 本丸の入り口を守る重要な門。
現存する「三の平櫓東土塀」
現存する「三の平櫓東土塀」
  • 現存土塀: 鉄砲を撃つための「穴(銃眼)」が残る古い土塀。一部が当時のまま現存しており、歴史のリアルを感じさせます。

登城路の関門:大手門より遥か下に構える「中太鼓の丸跡」

中太鼓の丸跡
中太鼓の丸跡

ふいご峠から歩き始めて最初に出会う本格的な遺構が、この「中太鼓の丸跡(なかだいこのまるあと)」です。大手門に辿り着くずっと手前、中腹に位置しています。

中太鼓の丸跡から見た高梁市内
中太鼓の丸跡から見た高梁市内
  • 「音の放送局」としての役割天守よりもかなり下の「中腹」に位置するのは、城下町へ太鼓の音(時刻や合図)を正確に届けるため。城と町を繋ぐ情報の起点でした。
中太鼓の丸跡の石垣
中太鼓の丸跡の石垣
  • 圧倒的な「二段の石垣」:斜面を活かして上下二段に積み上げられた野面積みの石垣が、登城者の目の前に壁のように立ちはだかります。大手門に辿り着く前の「最初の見どころ」です。
中太鼓の丸の防御力の高さ
中太鼓の丸の防御力の高
  • 実戦的な防御拠点:大手門より遥か手前で敵を食い止める「独立した出丸」のような役割を果たしており、備中松山城の防御の厚さを象徴する遺構です。

備中松山城を120%楽しむためのポイント

天空の城
2025年12月28日の8時ごろに雲海展望台より撮影。残念ながら雲はありませんでした。 
  • 雲海狙い: 10月〜12月の早朝、向かいの「雲海展望台」から天空の城を拝む。
  • 猫城主: 人気の猫城主「さんじゅーろー」への挨拶も忘れずに。
  • 服装に注意: ふいご峠から天守までは20分ほど険しい山道を歩きます。必ずスニーカーで訪れましょう。
城マニア
城マニア

残念ながら猫城主「さんじゅーろー」には会えませんでした。年末年始休業でした。

備中松山城へのアクセス

備中松山城への基本ルート

一般車両は「ふいご峠(8合目)」まで行くことができますが、土日祝日や観光シーズンなどの混雑時には交通規制がかかります。その場合は、麓の城見橋公園駐車場から登城整理バスに乗り換えるのが公式なルートです。

  • 登城整理バス(シャトルバス)
    • 乗り場: 城見橋公園駐車場 / 城まちステーション
    • 運行区間: 城見橋公園駐車場 〜 ふいご峠(約10分)
    • バス停からの徒歩: バスを降りた「ふいご峠」から天守までは、徒歩約20分の本格的な登山道です。

駐車場情報

  • 城見橋公園駐車場(麓)
    • 約110台。シャトルバスの起点となるため、混雑時はこちらを利用します。
  • ふいご峠駐車場(8合目)
    • 約14台。平日の閑散期など、規制がない場合のみ自家用車で登ることができます。

公共交通機関でのアクセス

  • JR備中高梁駅から
    • 備中松山城観光乗合タクシー: JR備中高梁駅から「ふいご峠」まで直行します(予約制)。バスや車がない場合に非常に便利です。
    • 徒歩: 駅から天守まで歩く場合は、約1時間以上の本格的なトレッキングになります。
城マニア
城マニア

初めての方は備中高梁駅からバスや徒歩で向かうのは厳しいかと思いました。筆者は乗合タクシーを利用しました。前日までに必ず予約して下さい。


雲海はなくても感動。真冬の備中松山城登城記—石垣に刻まれた情熱と『真田丸』の記憶

雲海展望台
雲海展望台

岡山城を訪問した日の2025年12月27日の夕方。私は「天空の城」をこの目に焼き付けるべく、岡山駅から備中高梁駅へと向かいました。この日は、高梁市内のホテル、「ファイブシーズホテル」に宿泊しました。28日の早朝、乗合タクシーでまずは雲海展望台へ。しかし、空は抜けるような快晴。狙っていた「雲海に浮かぶ城」は撮れず、少し気落ちしながらのスタートとなりました。

天守へ続く急勾配の石段
天守へ続く急勾配の石段

雲海展望台から一度、宿に戻ってきました。2時間ほど休憩してから駅から乗合タクシーでふいご峠まで。ここから歩き始めます。そこから天守までは想像以上に険しい山道。真冬の寒さを忘れるほど、登るうちに汗が滲んできました。 最初に現れた本格的な遺構「中太鼓の丸跡」の石垣を見た時、その圧倒的な存在感に言葉を失いました。「こんな山奥まで、どうやって石を運び、積み上げたのか」。当時の人々の執念に、気落ちしていた心はいつの間にか驚きへと変わっていました。

断崖絶壁の石垣
断崖絶壁の石垣

さらに進むと、大河ドラマ『真田丸』のオープニングでお馴染みの石垣が現れます。 巨大な天然岩盤の上に、人の知恵である石垣を積み上げた姿。一説には「圧倒的な自然の力を利用して知恵で守りを固める(石垣)姿が、真田家の生き様そのものだからロケ地に選ばれた」という話を聞いたことがあります。その真意は定かではありませんが、実物を前にすると、その説が真実であってほしいと思わせるほどの説得力がありました。

2重2階の層塔型天守
2重2階の層塔型天守

最後に辿り着いた現存天守と櫓。明治の廃城令という危機を乗り越え、この山頂に今も立ち続けているのは、地元の方々の並々ならぬ情熱があったからこそです。 備中松山城は単なる観光地ではなく、戦国から続く「石垣の技術」と「現代に繋がる情熱」が詰まった、まさに生きた博物館。雲海は見られませんでしたが、それ以上に大切な「歴史の重み」に触れることができた、忘れられない旅になりました。

城マニア
城マニア

ふいご峠(バス・タクシー下車地点)から戻ってくるまで、1時間30分〜2時間と考えておくのがベストです。これは歩行・見学・撮影をすべて含んだ滞在時間の目安です。